太陽みたいな人でした。
好きなだけ。
あの時は私は知ってしまった。気づいてしまった。
自分の気持ちに…。
男が怖い、気持ち悪い。
そう思っていたのに、いつの間にか心は惹かれ、決して落ちてはいけないあなたにはまっていた。

『ねー聞いてる??』
「ん?あー聞いてるよ〜」
『でね、こないだ相談した時に聞いたんだけど岩淵先生結婚するつもりないんだってー』
どうしてこんな話になっているかと言うと…

「それじゃあ、亜子さん、気をつけて帰ってな。怖かったら送ってくけど。」
「大丈夫です。多分何とかなります。」
「多分か。笑」
あの後、岩淵先生とは別れ、スマホを見てみるとミキから6通もの不在着信が来ていた。
何があったのかと思い、急いで電話をしてみると
『あ!亜子!無事?!』
突然何を言い出すかと思えば…。
『さっきふみくんから亜子に会ったって聞いたんだけど、男が怖いってほんと?!』
あーふみくんか。
あの人余計なことしかしないな。
「…うん。言えなくてごめんね。なんか情けなくて。」
『全然いいの!それより私の前ではなんともなかったしすごい無理してたんでしょ…。気づいてあげれなくてごめんね…。』
「…違うの。」
その後私は1人じゃなければ平気なこと。
1人になると男が怖くて吐気に襲われたこと。
そして、ふみくんに会って岩淵先生に助けてもらったこと全部話した。
『岩淵先生って本当にいい先生だよね。…私が相談に乗ってもらった時にもね…』

はい。こんな感じで今に至る。
『1年前に彼女と別れたんだって!
あんなイケメンと別れるとか勿体なさすぎだと思わない?!』
さっきまでしんみりした話してたのにどうしてこうなってるのかしら?
「あれじゃない?岩淵先生の方から振ったんじゃない?分かんないけど。」
『なるほどね〜!でも、別れたとしても何年間かは岩淵先生と付き合ってたわけだよね?!羨まし〜』
確かに少し羨ましいと思った。
岩淵先生と手を繋いだり、岩淵先生の隣を歩いたり、岩淵先生とキスをしたり…
『亜子?』
「…ん?」
『…ぼーっとしてどうしたの?まだ隠してることでもあるのぉー?』
これって言うべきなのかな。
でも、どうせ隠しててもどっかでバレるの学んだしなー…。
「実はさー。」
『うん?』
「岩淵先生のこと…好きかもしれない。」
『…先生として?』
「違くて、恋愛的な意味で。」
『…え、ほんとに?』
「うん。」
『そっかー…。』
ミキの声のトーンが下がった。
もしかして、ミキも…。
『亜子も好きになっちゃったか。』
あ…やっぱりミキも。
『私達のクラスで嫌いだったの亜子くらいだったのになー。』
ん?え?
「もしかしてそれって顔がかっこよくて優しいからとか?」
『もちろん!え?違うの?』
「先生優しくないよ?」
『はい?』
あ、裏の顔知らないのか。
知ってるの私だけなのかな。
「いや、何でもない。ご飯作んなきゃだから電話切るね。」
『あ、もうそんな時間か。また明日ね〜』
プッツーツー…
そっか。本当の先生を知ってる生徒って私だけなんだ…。
なんだか少し嬉しかった。
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