初恋シリーズ
もたれかかるように少し体重をかける。


私を拒まない先輩が悪いんですよと心の中で呟いた。


私は衝動のままラベルを掴んで自分の方に引き寄せる。


背伸びをして自分からもぶつかりにいったのに触れたものは柔らかい。


先輩からゆっくりと身を引いていった。


それと同時に目を徐々に開ける。


硬直したままの先輩の顔を見てからとんでもないことを

してしまったのだと感じた。


今更後にも引けない。


「....あ.....。」


離した先輩の体温が無くなっていく。


魔法が切れた様に満たされていた気持ちが冷えてゆく。


何かを言いかけている先輩の顔の前に手のひらを突き出した。


「い、今の忘れて下さい。」


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