初恋シリーズ
それから平気そうな顔をして澤田のまま登校する彼のことが

気になって目で追うようになっていた。


無理してないかと聞ければいいのにそんな勇気はどこにもない。


こっそりフォローに徹する以外私に出来ることはなかった。


小学6年生になった時、澤田にお姉さんができたと噂がたった。


親の再婚で連れ子同士らしい。


綺麗な人だとか優しい人だとか噂は耳に入るけど

『姉弟でしょ?』と心の中でどこか安心してた。


むしろお姉さんがいたら相談とか談笑とかができて澤田にとって

いいことだと密かに喜んでいた。


お母さんがいなくても平気だと頑張り続けた澤田が幸せになって欲しい

と心の底から思っていた。


中学校も澤田のまま通い続けていた。


私は強運の持ち主なのかずっと澤田と同じクラスだった。


澤田は私と違って目立つ方のグループに入ってよく女の子とも話す。


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