初恋シリーズ
勝る訳がないとわかっていながらもがむしゃらになるしかなかった。


入学式にどこを探しても澤田の姿はなかった。


のちのち噂で知ることになったのだが澤田はこの学校を落ちたらしい。


澤田の姿を追うように気が付けばサッカー部のマネージャーに

なっていた。


他の学校できっとサッカーを続けていることを信じた。


練習試合でばったり会えるかもしれないという淡い気持ちを

密かに隠し持った。


ここまでする行動力はあるのに告白だけは寸前すらいけない。


サッカー部繋がりで仲良くなった澤田の友達に私学の男子校に

通っていることを教えてもらった。


サッカーを続けているけれど辛いことが多いらしい。


そばにいてもいなくても私はいつでも澤田の背中を押すことなく

ただじっと見つめることしかできない。


先週、男漁りが趣味の友達に男子校の文化祭に誘われた。


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