初恋シリーズ
辺りを見回すと並ばなくて済むのはジュースだけだったようだ。


「ミルクティーください。」


無愛想に返事をした店員が後ろを振り返り、同級生らしき子と

楽しそうに話しながら午後の紅茶をカップへ注いだ。


「どぞ。」


私の差し出した手には目もくれず机にどんっと置きすぐに

背中を向けられてしまった。


一応お礼を言って私は階段に座り込んだ。


階段の傾斜に沿って脚を伸ばす。


開放感があった。


「あの。」


後ろから声をかけられた。


反射的に振り返ると前屈みになって私を見下ろしている体育会系の

子がいた。


「F高校サッカー部でマネージャーとかしてたりしませんか。」


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