初恋シリーズ
「え、保奈美って何高?」


驚きながら聞いてくる澤田は私に何も興味が無いのだと自覚させられた。


「F高だよ。」


私は眉毛を垂れて、作り笑いを浮かべた。


「え、すげぇ。俺、落ちたよ。」


澤田は目を丸くした。


知ってるよと言えるわけもなく、私は愛想笑いで返すしかなかった。


「進学率すげぇもんなぁ。まあでもサッカーすげぇ頑張ったら

S大の推薦貰えるから頑張るんだけど。吉田は大学決めてんの?」


サッカーが相変わらず好きなんだとかみよじに戻っているだとか

そんなことはもうどうでもよくなった。


中学生の頃から大学の目標が揺らいでいない。


私は一生澤田のお姉さんには勝てないのだろうか。


「うん、私も同じ。」


カップ周りの水滴を丁寧に指で拭った。
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