初恋シリーズ
私のかわりに書記になった1年生がスマートフォンをスクロールしながら

告げた。


｢よし、じゃあみんなクラッカー持って。｣


それぞれクラッカーを手に持ち、先輩たちを待ち構えた。


廊下から先輩の笑い声が聞こえた。


すぐに先輩がガラスに現れ、私はそれをじっと見た。


長めの黒髪に荒削りの雪がまばらにかかっている。


そして先輩の白めの肌が赤らんでいる。


ガラス越しに先輩と目が合った。


私を驚いた表情で見たと思ったらすぐに微笑み勢いよくドアを開けた。


わかっていただろうに先輩は大袈裟に驚いた。


先輩はすかさず私の元へ来てクラッカーは人に向けちゃ駄目だろうと

私の頭を小突いた。


先輩の笑顔を間近で見た私は顔が熱くなり慌てて俯いた。


先輩はそのまま私の髪をわしゃわしゃと乱したかと思えば、

手を止めて引いていった。
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