初恋シリーズ
グラグラと歪む視界が頬に雫が伝うことで少し晴れた。


言葉もでない澤田はただ口をあんぐりとさせている。


それだけだって言うのなら私の方へ振り向いて欲しい。


だけど澤田のそれだけだっていう言葉が嘘なのは明白だった。


けれどそれだけにしてしまえる可能性があるならば、私を視界に

いれて欲しい。


今までのように何もせずにただ傍観しているだけではもう前には進めない。


私は澤田のそばにいられる資格が欲しかった。






【終】


< 32 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop