初恋シリーズ
それと同時に彼が私に抱きついた。


肩が思い切り締め付けられて息苦しい。


加減がわからないのかこれでもかと締め付けてくる。


「い、痛い。」


ぐぐっと押し返すと彼はすぐに解いた。


「怒らないって言ったのに。」


彼が少し怒り気味に呟いた。


怒る怒らない以前に私は頭が真っ白になっていた。


「怒っては...ない。」


なにか言葉を返そうと模索したところこんなことぐらいしか言えなかった。


「じゃあさ...嫌じゃなかった?」


私の顔を覗き込んだ。


「うん。」


急に恥ずかしさが込み上げてくる。


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