初恋シリーズ
彼の行動を肯定しているのと同意義で私が期待していると

言っているようなものだ。


「けど家の前だと恥ずかしい。」


私は彼のジャケットの裾を引いた。


「いつものところ行こうか。」


私と彼は微笑みあった。


いつもより近い距離で隣合った。


恥ずかしさはもちろんあるが幸せが上回っている。


私の家の前にいた時よりも話さない。


それなのに確かに通じ合っている気がする。


「ずっと俺、怒ってたけどスカート似合ってる。」


前とは違い甘い言葉の一つぐらいは言えるような雰囲気になっている。


私は微笑んで彼の肩に寄り添った。


「あんたに見せたくて履いてきたからね。」


おでこを肩に押し付けた。


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