初恋シリーズ
「好きじゃなかった?」


私が溶かしたチューペットを先生はあっさりと飲み干した。


「そうかも。」


私は空のプラスティックを咥えたまま上下に動かした。


「じゃあ次はヨーグルト味にでもしようかな。好き?」


先生が容器を抜き取って私に口付けた。


「うん、好き。」


甘い思考の中、私は目を閉じてもう1度を強請(ねだ)る。


「これじゃ何をかわかんないな。」


先生は笑いながら今度は私の唇を吸った。


「なんか今日は甘い。」


自分の唇を舐めるとほんのり甘さがあった。


「ビール飲んでないからね。」


先生は微笑むと私の唇を指でなぞった。


< 55 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop