初恋シリーズ
私はベッドから降りて散らかしっぱなしの下着を拾い集めて

洗濯機を回した。


シャワーをひねってお湯が出るまでの間に先生の家に置いてある

私の着替えのストックを棚から下ろした。


「先生。」


シャワーから出てきてもなお起きていない先生を揺すった。


「直之(なおゆき)。」


それでも起きない時はいつも名前を呼ぶ。


そうすると私の腰に抱きついてきてもそもそと起き出すのだ。


「加穂里(かほり)ごはんある?」


先生が目をこすりながらあくびをした。


昨日はお酒を飲んでいないのに寝起きが悪いようだ。


「すぐ作れるよ。お弁当も?」


先生の着替えを差し出すとそれを持ったまま、また寝転んだ。


「んー。」


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