初恋シリーズ
ここで今の話相手が男だったのだと気が付いた。


私は真顔で母親の目を見つめた。


母親は私の顔なんて見ていない。


すぐに家を出て行った。


こんな時、先生に会いたくなる。


私は携帯電話を開いた。


アドレス帳をタップして直之を開いた。


けれど私はホームボタンを押した。


ここで会いたいなんて言ったらきっと困らせてしまう。


クリスマスに貰ったお揃いの指輪にそっと口付けた。


これで私は大丈夫。


そう思わないとやっていけない私が嫌いだ。




睡眠不足が祟って倒れたせいで保健室で寝かされていると先生が

カーテンから顔を覗かせた。


< 60 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop