初恋シリーズ
徐々にちいさくなっていく車体を見送る。


私の家の周りはまだ眠っているかのように静かだ。


家のドアを開ける前にわかる、誰もいない。


ドアを開けて最初に目に付くのはお札が置かれたテーブルだ。


私が高校生になるずっと前、母親はもっと私に興味があった。


興味なんていいものではなかったが今の無関心っぷりを見ると

そう言ってもおかしくない気がする。


私は先生がつまんでいたあたりの毛先に触れた。


私がショートカットなのは小学生の頃からだ。


長いと怪我をすると理解したときからもうずっと伸ばしていない。


5万円を横切り、私は部屋のベッドに飛び込んだ。


今日の時間割に数学はない。


先生に会う時間がないと思うと行く気が失せた。


私はそのまま眠りについた。
< 69 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop