初恋シリーズ
私のさぼり癖のせいで母親が学校に呼び出された。


放任主義だと知っているくせに学校が母親を呼んだのか

理解ができなかった。


通された部屋はコミュニケーションルームと書いてあり、初めて入った。


「率直に申しますとこのままでは留年が危ぶまれます。」


厳しい顔をした担任が額に汗をかいていた。


母親は涼しい顔をして黙っていた。


声を荒げない方が問題だ。


私はそれなりのことを覚悟した。


「娘の体調がすぐれない場合はこれから連絡いたします。」


母親の毅然とした態度に押されたのか先生は何も言ってこなかった。


「先生、この程度の件で呼び出されては困ります。電話で済むお話で

したらそちらでお願いします。」


何か言いたげな担任も私の顔を見て黙り込んでしまった。


「では、失礼します。」


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