初恋シリーズ
私と担任を置いて母親は部屋をでた。


またすぐに男の元にでも行くのだろう。


「柳。これからは学校来るんだぞ。」


担任はいつもより優しい声でそう言った。


私は黙ったまま頷いた。


先生の家の冷蔵庫にはビールと肴(さかな)と牛乳と卵しか

基本入っていない。


私が食材を買ってこないことにはろくなものが食べられない。


渡された合鍵で家に入り、先生の帰りを待つ。


今日は考査後なので遅くなるかもしれない。


ソファに寝転がっていると眠気が私を襲う。


そのまま眠りについた。


目を開けるとテレビの雑音と先生の頭が目に入った。


ビールの匂いが鼻につく。


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