初恋泥棒
私と裕翔の家はとても近い。
しかも通学途中にあるものだから、たまに私はおばさんにベランダから呼び止められるのだ。
「余計な事を…」
「というかですね、裕翔さん。寝ぼけて誰も彼もこうしてベッドに引きずり込む癖は止めた方が良いかと…」
「は?」
うっ、怒られる……。
体の横に置かれた手が動いて、ベッドがギシリと軋む。
だって、裕翔は女の子にモテるから。
私にまでこんな事をしてしまうなんて、もはや癖としか言いようがない。
「ふーん。サクってばヤキモチ?」
「ち、違うよっ」
「お望みならこの先もしてやっても良いけど?」
裕翔の顔がさらに近づき、長い指が私の頬をやらしく撫でた。
変な感覚に襲われて心臓が飛び出しそうになる。
きっと私の顔、今、最高潮に赤い。
「こ、この先って……」