小さな手のひら
感情
「―――で、同じ名前同士仲良くなっちゃったわけ?」
「うん」
次の日。授業中の、休み時間。
淡海蓮。中学3年、今年受験生。
中学は普通の公立で、受験したい高校は未だ無いらしい。
「まさか1コ下かとは思わなかったー…」
「もっと上かと思ったの?」
「逆。もっと下かと思った」
(小学生かとも思ったのに、)
なんだか裏切られた気分。
外見も、最初は蒼眼しか見てなかったけど。
よく見ればかなり違う方向で美形だし、童顔に近い顔立ちだった。
髪は真っ黒だし、蒼眼の理由を聞いたらハーフだって言うし。
(顔は全然日本人なんだけど)
…身長は、小さいし。
「へぇー、いいなぁ。あたしも会ってみたい」
「駄目だよー、咲良ロリコンでしょ」
「違うって!」
咲良は笑いながら否定した。
「大体あたしは愛しの彼がいるからね☆」
「ノロけんな、このやろ!」