夏の嵐と笑わない向日葵
「そんなの、俺が言いてーくらいだ。なんだって、俺の初恋だからな、向日葵は」
そう言って、嵐君はあたしを強く抱き寄せる。
嵐君の吐息が、首筋に散らばるあたしの髪を撫でた。
「絶対に離したりしねぇ、ずっと俺が守るから」
「っ……ありがとう、好き…」
あぁ、泣きたくなるくらいにこの人が好きだ。
心が繋がっているのが分かる。
「好きだ、向日葵」
嵐君の声を聞いたのを最後に、心地よい眠気に身を委ねた。
嵐君の腕の中は、世界で一番安心できる場所だなぁと思いながら、眠りについた。
「おやすみ、向日葵」
嵐君の優しい声に見送られながら。