夏の嵐と笑わない向日葵
「って、うぉぉおっ!!」
「っ!?」
すると、男の子はあたしに気づくなり悲鳴を上げた。
失礼な。
悲鳴を上げたいのはあたしのほうだよ。
それにしても、顔の整った人だな。
すごくカッコいいと思う。だけど、なんだか格好がチャラい。
「ままままさか!!」
「………」
「君が向日葵ちゃん!?」
男の子はあたしを間違えなくそう呼んだ。
あれ、あたしこの人の知り合い??
でも、顔見たこと無いな…。
それに、標準語だし、方言もない。
もしかして、東京の人??
「ニャー!!」
ノラは警戒するように、男の子を威嚇した。
「いや!俺は怪しいもんじゃねーし!手紙、手紙来ただろう!?」
「手紙……」
手紙、そういえば来てたけど……。
まさか、これの事??
あたしはポケットから手紙を取り出した。