夏の嵐と笑わない向日葵
「そう、それそれ!杏ばあちゃんから」
「あなたの…おばあちゃん?」
あたしは封を切り、手紙を確認する。
加島 向日葵様。
はじめまして、私は雅子、あなたのおばあちゃんの親友の三木 杏といいます。
あなたの事は、雅子からよく聞いていました。そして、お家の事も。
「おばあちゃん……」
あたしの家の事、話してたんだ。
そこまで話すって事は、本当に仲の良い親友だったんだね。
あたしは、手紙の続きに目を通す。
そんな雅子が亡くなる前に、私宛に手紙が届いたのだけれど、それは、あなたの事でした。
雅子が亡くなった後、あなたが一人で悲しんでいるのを誰よりも心配していました。
そして、私の孫にも雅子は手紙を書いているのだけれど、どうもその内容が、夏休みにあなたに会いに行く事と関係があるみたいです。
私には秘密らしく、詳しい事は分かりませんが、孫がそちらを訪ねると思います。
決して悪い子では無いのですが、迷惑をかけてしまうかもしらません。ですが、優しい子です。
孫の事、よろしくお願いします。
三木 杏より。