夏の嵐と笑わない向日葵


「いつの間にか、周りに寄ってくるのは、どーしようも無い男ばっかで、女友達もいない、1人ぼっちだった」


あたしとは少し環境が違うけど、愛美さんも孤独だったんだと知った。


「でも、今はたくさんの友達に囲まれてますよね」


嵐君や啓君、たもっちゃん……。
彼らは、とても仲良しだし、羨ましいと思ってた。


「嵐が…突然声をかけてきて、仲間に入れてくれたの。それはもう、あたしにとっては、本当に嵐のような出来事だった」


そう言って笑う愛美さんは、あたしと同じように嵐君に救われていたんだと知る。


「他の馬鹿な男とも違って、誰にでもありのままの自分で接してくる。すごく……惹かれたんだ」


あたしもだ。
あたしも、そうやってどんどん嵐君に惹かれた。


「だから、嵐が忘れられない初恋の人をずっと想ってるって知って、許せなかった……」

「愛美さん……」


「嵐といた時間も、距離も、あたしの方がって、何度も思った。だけど……」


愛美さんは悲しげにあたしを見つめて、笑う。


あ……。
初めて、愛美さんの笑顔を見た気がした。
本当に、綺麗な笑いかたをするんだな……。


























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