夏の嵐と笑わない向日葵
⑧向日葵を贈って
夏も終わりが近づく、8月もついに後半に突入した。
そう、嵐君といられる時間も残り少ない。
「カレンダー、もうすぐ終わっちゃうな」
「ニャー」
居間の壁にかけられた、猫の写真つきカレンダーを見ながら、無意識に「はぁ」っと、ため息をついた。
ノラも寂しいのか、珍しく尻尾をだらりと垂らして、あたしの足元にちょこんと座っている。
「あれ……」
カレンダーの16日に☆印がついているのに気づいた。
あたしは書いた覚えが無いけど、無意識に書いた??
「16日って、今日だ……」
何か、あったっけ……?
今は、おぼんの期間だって事くらいしか分からない。
そういえば、東京にあるお母さんとお父さんのお墓参りには、ずっと行ってない。
実の娘がお墓参りに行かないなんて、罰当たりだと思う。だけど、あたしはおばあちゃんのお墓参りにすら、行けてないのだ。
理由は明白で、あたしがお墓を前に何を言えばいいのか、どんな表情をすればいいのか、分からないから。