夏の嵐と笑わない向日葵
「うぅ……死ぬぅ~」
うめいている嵐君の額に、冷たいタオルを乗せる。
そして、うちわでパタパタと扇いだ。
「冷たくて気持ちー……サンキューな。まじで神だわ」
「神……?」
何が神だかよく分からないけど、どっと疲れたな。
そういえば、朝御飯も食べてないし…。
目を閉じたままお礼を言う嵐君に、あたしはため息をつく。
とりあえず、嵐君の顔色も良くなったし、この縁側は風通しがいい。そろそろご飯作らなきゃ。
「ノラ、ノラも水飲みな」
あたしはノラの水を用意して、ご飯の準備に取りかかる。
「熱中症の時って、何作ればいいんだろう…」
病気定番のお粥??
それとも、さっぱりした冷やし中華??
台所で一人悩んでいると、自分が熱中症になった時の事を思い出した。