夏の嵐と笑わない向日葵
「嵐君、あたしも愛してる。好きなんて言葉じゃ…足りないくらいに」
唇を寄せ合い、あたし達は愛を囁き合う。
右手は、指が絡んだまま、離れない。
「ん………」
「っ………」
お互いの唇が重なる。
その度に、どんどん愛しくなっていく。
たとえ、別れが近くても、あたし達はこうして繋がってる。ただの指輪ではなくて、想いがこもった、心を繋ぐ絆の証だ。
嵐君、嵐君からは、たくさんの贈り物をもらった。
忘れてしまった笑顔と、愛を誓う指輪。
それは、形の無いもの、形の有るものも含めて…。
あたしにとって、その中でも、この指輪はどんな贈り物よりも、一生に一度、もう二度とないほどの宝だったよ。