夏の嵐と笑わない向日葵
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなり、あたしは自分の席へ着席する。
そして、9月1日、夏休みが明け、あたしは学校のホームルームに参加した。
「卒業まであっという間だ。進路がまだ決まってない奴も中にはいるだろう。残り少ない時間を、有効に使うんだぞー」
担任が教卓で進路の話をしている。
終業式では、何にも考えいなかった進路。
だけど今、少し固まりつつある。
「加島、進路決まった?」
ホームルームが終わると、勝俣君があたしの机にやってきた。それに、あたしは笑顔を返す。
「なんとなく……なんだけど、花に携わる仕事がしたいなって」
先の見えない不安がずっとあった。だけど、やっと未来にある物に目が向けられて、ホッとしている。
「へぇ……」
勝俣君は興味深そうにあたしの話に耳を傾けてくれる。勝俣君は、目の前の空いてる席に後ろ向きで座る。