夏の嵐と笑わない向日葵


「す、すんませんでした!!」

「だ、大丈夫……」


何故か敬語の嵐君に、あたしはそう返すのでいっぱいいっぱいだった。


どうしよう、裸絶対見られた。
どうやってこれから顔合わせればいいの……。


困り果ててると、嵐君が先に口を開いた。



「向日葵、えーと……あぁ!ホ、ホースはどこにあんだ??」



と、取り繕い方が下手だ……。
意識してるのが分かって、あたしまで恥ずかしい。



「えと……畑の蛇口に一緒に掛かってるっ…」

「そ、そうか!じゃ、行ってくるわ!」


ガラガラッ!!


そして、慌ただしく出ていった嵐君にホッと息を吐く。
そして、あたしは風邪とは違う疲れでぐったりと布団に横になった。



すると、どんどん体が怠くなって、そのまま布団に沈んでいってしまいそうなくらい、体が重かった。



嵐君が戻るまで、少し休もう……。


そう決めて、あたしは眠りの中へと、沈んでいった。








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