夏の嵐と笑わない向日葵
「なぁ、向日葵。それって本当に罪滅ぼしだったのか?」
「え……?」
嵐君の言葉に、あたしは顔を上げる。
「向日葵は、ばあちゃんの大切にしてきたモノを、同じように大切にしてただけじゃん」
「それは……」
「確かに、この向日葵畑を見て、ばあちゃんの事とか思い出して悲しくなる事もあると思うけどさ、でもそれは、楽しかった思い出があったからだろ」
楽しかった思い出があったから……。
ストンッと、胸の中に落ちてくるように、その言葉があたしの中にある答えたった。
そっか……。
楽しかった時間があったから、あたしは辛いんだ。
そうか……この悲しさは、あたしがお母さんやお父さん、そしておばあちゃんが大切だったからある気持ち。