夏の嵐と笑わない向日葵
「向日葵の手って小せーな」
掴む手を、腕から手に嵐君は変えた。
「そうかな」
あたしは、嵐君の手が大きいからだと思う。
あたしの手を、簡単に包んでしまう。
「向日葵は、背も小さい」
「あたしは平均的。嵐君が巨人なんだと思う」
嵐君はあたしを振り返って、プッと笑った。
「巨人って、俺が人間じゃ無いみてーじゃん!」
「うん、巨人って呼ぶね」
「ブハッ、巨人とかヤメロ!」
あたしと嵐君はそんなくだらない話をしながら、20分歩き、コンビニへとたどり着く。
遠いとか、そんな風に感じなかったな…。
嵐君といると、楽しいからかも。
楽しい時間ほど、過ぎるのは早いんだと実感する。