夏の嵐と笑わない向日葵
「ノラだけだよ……」
あたしには、ノラがいた。
同じ孤独を分けあったあたし達だからこそ、お互いの寂しさに気づけるんだろう。
ノラまでいなくなったらって考えると、すごく怖い。
あたしには、もうノラしかいないから。
ずっと傍にいてね、ノラ…。
ノラが望む間は、ここにいくらでもいて良いから。
どうか、あたしを嫌いにならないでね。
「おやすみ……」
あたしは、ノラを抱き締めて目を閉じた。
明日は、ノラと何をしようか。
縁側でお昼寝もいいなと思う。
そんな事を考えながら、いつの間にか、深い眠りへと落ちていった。