夢を見るボクら


目が合った瞬間、照れくさくなって慌てて視線を逸らす。


「ど、どういたしまして」

ガチャガチャと薬品を片付ける。


今回は皆切り傷とかばかりで軽傷でよかった。

気がつけば時計の針は夜の八時を示していた。


(うそ!もうこんな時間!)

「ごめん!帰るね」


ガタっと勢いよく立ち上がった私は引き止める皆の声を無視して、靴のかかとを踏み潰して走り出す。

いきなり出てきちゃったし、心配されるのも嫌で走りながらメールを入れる。

< 110 / 284 >

この作品をシェア

pagetop