夢を見るボクら
「だって、兄ちゃんを...」
「助けたかった?」
図星をつかれて下を向く。
「どんなに大切なやつを守りたくても喧嘩は拳で戦え」
頭をポンポンと柔らかく叩かれて顔を見ると、そこにはもう怒っていない兄ちゃんがいた。
「ごめんっ...」
「分かればよし。」
「もう、道具なんて、使わない」
「うん」
少し涙声になるのが恥ずかしい。
「じゃあ風呂入るか」
「うん!」
その日、俺と兄ちゃんは風呂ではしゃぎまくって母さんに怒鳴られた。
さらに、食器棚に隠してあったクッキーをこっそり取って、兄ちゃんの部屋で食べたことは内緒。