夢を見るボクら




「これはこれは…!本部の方ですね、会議室へ案内するようにと社内の者に伝えたのですが…」


部長が腰低くその男性に近寄り話しかける。


(この人が本部の人なのか…)


お辞儀をし、資料探しに取り掛かる。


「いえいえ、そんな。
これから一緒にプログラムを進めていくのですから挨拶をと思いまして」


部長と話しながら奥へ足を進める。


私と男性がすれ違う。



その瞬間ふわりと香る懐かしい匂い。




「…っ!」


心臓がドキリと音をたてる。



(この…匂い……っ)



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