Ｄoll・Ｃurse

人形は油断していた
武器を持っているとはいえ相手は素人だと
しかし、相手は意表を突いた攻撃を続ける。
だから、終いにペイント弾を撃たれて、視界が真っ青になった現在に至る。
優衣の敵討ちなんて頭の中から外れていた。
ただ、目の前の敵を殺すために雛は攻撃を続ける。
早く殺さなくちゃ
雛は攻撃を止めようとしない。
ただ、一方的にナイフとエアガンで連続攻撃を繰り広げる。
ズバッ
人形の右手を落とした。
(やった、もう少しで殺せる)
そう、雛は少し安心していた
しかし、それは安心ではなく油断だと雛は気付かなかった。
雛は攻撃を急ぎ心臓を突き刺した。
空中に浮かんでいた人形は地に落ちた。
(やった、勝った)
雛はそう心の中で思い、その身体を翻した。
歩き出す、家へ
緊張しきった戦闘を終え休むために家へ帰ろうとしたその時
雛の背後で人形は動き出した。
人形は左のバールを捨て、右手に握っていたナイフを取り雛の背後へ忍び寄った。
カァン
「えっ」
雛は驚いた。
なぜ、人形は生きているの？
しかし、人形も意外なことが起こったと思った。
刺そうとした心臓の辺りに鉄板が仕込んであったからだ。
「うっそー、マージで？
何で君、そんな所に鉄板なんて仕込んでいるの？」
「・・・」
パァン、パァン
無言のまま、雛は引き金を引く。
ピス、ピス
「？」
人形は早業のごとく、弾を弾くでもなく、避けることもせず
ただ、切り落とした。
タッタッ
雛は逃げる。
公園から出ようと。
逃げながら雛はポケットから特性のフラッシュグレネードを取り出した。
人形目掛けてそのフラッシュグレネードを投げつけた。
カッ
激しい閃光が人形を襲った。
数秒間の間だったが人形の視力を奪った


人形の視力が回復したときには雛の姿はなかった。


雛は走る。
たどり着いた先には廃ビルがあった。
雛はトラップを仕掛けながら一階ずつ登っていく。
屋上にたどり着きそこで人形を待つことにした。

「・・・」

夜の街を見ながら雛は思った。
(もし、人形がトラップを掻い潜って来た場合はどうしよう？)
その時だった。
ビルの下に人形の姿が見えた。
タァン、カッ、ピスッ
仕掛けたトラップに掛かる音がする。
「stれうysrfkhfgdgdせwっyghcrすぅゆstf」
人形の悲鳴にならない悲鳴が聞こえてきた。
人形はそれでも雛のもとへと進む
「ヤァート、タドリツイタ」
「・・・」
人形は１歩ずつ近づいてくる。
「？」
人形は雛が張ったワイヤーに掛かった。
すると人形の背後からバケツが飛んできた。
人形は気づかずバケツの中のガソリンを浴びる。
刹那
雛は火炎ビンを取り出し人形に投げつけた。
放った火炎ビンは勢いよく燃え上がる。

屋上から降りようと雛が向かったのは階段ではなく、屋上の端だった。
取り付けていたワイヤーを用いて一階降りた。

ビルから出てしばらく歩いていると、近所の人か目撃者が通報したと思われる消防車が数台あの廃ビルへ向かっていた。
「・・・これで終わり。」
雛は小さく呟いた。