Doll・Curse
人形は上空から探す
見つけられない
ダメージは相当のものだった。
先ほどの散弾で左目と右脇腹を喪っている。
それに、月がでているが上空からではほとんど大まかな範囲しか見えない。
しかし、そこに彼女はいた。
バットを捨てナイフ一本で雛へ向かう。

400メートル、350メートル、300メートル、250メートル、200メートル、150メートル、100メートル
射程範囲に入ると
タァン、タァン、タァン
ライフルを構え撃ってきた。
避ける、避ける、避ける
ペイント弾を警戒し打ち落とそうとはしない。

50メートル

タァン、タァン
人形は大きく右に旋回し雛を襲う。
ヒュッ
雛の持つライフルを斬る。
「ヤァ」
両の手に持つライフルを人形に投げつける。
人形は避ける
ヒュッ、ヒュッ
右頬と左肩に切り傷を入れると人形は距離をとる。
蝶のように舞い蜂のように刺す
まさにそのような攻撃を繰り返す。

タァン、タァン
雛もやられるだけではない。
反撃を試みる。
しかし、普通に撃つだけでは人形は避けてしまう。
撃ったのは
鳥居と地面
「?」
人形は疑問に思った。
いままで、正確無比な攻撃を繰り返してきた敵がこのタイミングで訳のわからない所に弾を撃っている。

刹那

鳥居に跳ね返った一発目の弾が人形を襲う。
反応が遅れたがすんでのとこで避ける。
避けた先には地面に跳ね返った弾が人形を襲う。
跳弾
この弾もギリギリで避ける。

「君、軍人さんかい?
何でこんな業が使えるの?」

躊躇せず弾倉の弾が無くなるまで射撃を繰り返す。
タァン、タァン、タァン、タァン・・・・・・

予想のつかない角度から弾が跳んでくる。
人形は弾をかわし続ける。

しかし、その時はきた

人形の肩に当たった
人形は上空に撤退する。


< 16 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop