(短編集)ベッドサイドストーリー・2
ああ、本当に好きなんだな、そう私は思って、持っていた淡い恋心を胸の奥底へと隠してしまったのだ。
だって彼が嬉しそうだったから。
話すことのイメージで彼女が大体どんな人なのかもわかってしまった。咲き出したばかりのバラの、淡いピンク色のような女の子。私は年月をかけてちょっとずつ彼を好きになってしまっていたけれど、この気持ちはもう出せないな、そう思って、苦笑したのだった。
そして、彼女のことを照れながら話す晃をからかっていた。
あの時から、もう4年が経っている。
「あー・・・酔った~・・・」
隣でそう呟いて、晃はカウンターに突っ伏す。
「もうダメだ~」
私も酔いがまわって熱くなった顔をに、手で風をおくる。ああ、こんなに飲んだのは久しぶりだわ。明日が・・・というよりもう今日よね、休みでよかった。絶対二日酔いになると思うし。
隣を見ると、晃は目を閉じてしまっていた。ちょっとここで寝ないでしょうね!?私はおいおいと彼をつつく。
「ここで寝ちゃダメだよー!ねえ、起きて、ほらほらほら」
「うう~・・・寝てませんよー・・・」
「寝ようとしてるでしょ。もう、こんなでかい男をタクシーまで引っ張っていくの無理だからさ、ほら、晃ってば!」
「はいはーい・・・」
自分から呼んでつき合せといて、この態度は何なのだ。
私はため息をはいて、彼を見る。