愛しすぎて。
そして…
そして来た。
運命の時―――
放課後の教室。
誰もいない事を確認し二人きりになった。
「部活終わんの待たせてごめんな。」
そんな言葉から始まる会話。
「ううん。全然☆」
明るく返す亜由紗だが、無理しているのがよくわかった。
「あのさ…明明後日の8日、俺の誕生日なんだけどさ…空いてる」
やっとの思いで切り出したのに…
「………。」
亜由紗が下を向き、口を閉ざす。
「亜由紗」
前を向かずに
「ごめん…。無理なんだ。」
そう言った。
沈黙が二人を包む…
わかっていたのに期待していた俺がいて。
なかなか口をひらけなかった。
そして――
「そっか。わかった。」
俺が口を開いても、亜由紗は顔を上げない。
「…じゃあ。。バイバイ。今までありがとな。」
言った瞬間目に涙が溢れ、教室を出ようとドアに向かった俺に。
「なにそれっ!!!」
と背中に亜由紗がぶつかってきた。
「…なんでどうしたの」
すすり泣く声が背中でする。
亜由紗が泣いている……。