愛しすぎて。


私は口を開けず、ただだまっていた。



「なぁーんてな。嘘だよ。」


そう言って笑顔でこっちを向いたけど無理してるのがよくわかる。



嫌とかじゃないんだ。


ただ…今までした事がないから恥ずかしくて。



「遅いし早く帰ろう。」


作り笑顔の尚輝が差し出した手を握ることしかできなかった。




傷つけてしまったかな…


ごめんね尚輝。




さっきまでの雰囲気ではなく、上辺だけの会話が続き私の家に到着した。



「じゃあまた明日っ。」



「うん。」


挨拶をしただけで分かれた。



ただ一言


さっきは恥ずかしくてうんって言えなかった。


って言うだけなのに…。




ダメだな私。


明日なら言えるかも。



よしっ!じゃあ明日尚輝にちゃんと言おう。


3日後の尚輝の誕生日は仲良く楽しく過ごしたいもんね。





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