愛しすぎて。
俺が亜由紗にキスしたいって言ったのは、亜由紗が好きだから。
あいつにはたくさん男友達がいる。
でも亜由紗は俺のものだって事を感じたかったからなんだ。
ただヤリたいだけの不純な気持ちなんかじゃないのに…。
『ホテル行きたいの』
それはないだろ。
キスしたいって言った時、拒否されたからあまり二人っきりにならないでおこう、距離を少しおこうって思って。
我慢してたのに………。
ムカつきすぎて涙が出そうだ―――。
携帯をあけると
(また違う友達かよ。
俺のメール気付かないで、俺のこと気付かないでそいつと仲良くお喋りですか。
お前の事愛してるんだって。
よかったじゃん。
試合観に行って黄色い声援かけてやれば
いっそ付き合えば
…嘘です。
俺だけを見てください。)
さっき待ってる時に打っていたメールが保存してある。
「誰に送るつもりだよ…」
亜由紗に送る度胸なんてこれっぽっちもないくせに。
カチカチッとボタンを操作し、メールを削除した。