愛しすぎて。
「あのさ、今週の日曜どっか行かない」
「あっごめん!もう友達と約束しちゃってて…ごめん。」
今まで何回あったかな。
こういうやりとり…
「…そか。わかった。」
俺は笑顔で言った。
「…うん、ごめんね。」
誰と
どこに行くの
俺より大事
言っちゃいけない。
自分に言い聞かせる。
4日後の7月8日。
初めて二人で迎える俺の誕生日にはいい事だらけで埋めつくしてやる。
いつも言えないお願いなんか言っちゃってさ。
だって付き合ってんだもんな
いいよね…
「尚輝は…温和だよね。」
ふと亜由紗が呟く。
「んっ何て」
「何かさ、落ち着いてるよね。怒ったりしてんの見た事ないし。」
「…別に怒る事がないだけだよ。」
そういうしかないだろ。
本当は約束があるって言われる度に思うよ。
何でって…
でも言ったら俺のことウザくなるだろ
嫌いになるだろ
だから言えないんだよ…