愛しすぎて。
「授業始まったよ。」
そう言って学校に向かって歩いて行く。
縮んだはずの距離がまた延びた気がするのは私だけ
今日はもう学校で授業受ける気がしない――。
行き先は決めてないけど何処かへ行こうと思い、尚輝と逆の方向へ歩いて行く。
「ちょっと!何処行くの」
後ろから来ない事に気付いたのか、私の手首を掴んで尚輝が言う。
手を振り払ってみるが、びくともしない。
「何処行くのって聞いてんじゃん…。」
尚輝を困らせたいわけじゃないのに
「昨日みたいに…今日みたいに私を置いて先に行けば」
自分でも驚くくらいキツイ言い方をしていた。
またも沈黙が生まれる。
「何でそういう言い方するかな…。」
尚輝が沈黙を破る。
掴んでいた手を離し
「…今更ごめんね。」
そう言い、悲しい顔をして学校へと歩いて行った。