愛しすぎて。
そもそも私が尚輝を怒らせてしまったから
だから尚輝が先に行っちゃったんじゃん。
わかっているのに―――
子どもでごめんなさい。
どこに行こうかとよく考えたら制服だし
お金ないし…
で、考えた結果視聴覚室にいることに。
ここだったら放課後尚輝の姿を見れるし
滅多に使わないから誰も来ないし。
そして頭を冷やして一人で考えたかったからちょうどいいや。
私と尚輝に必要な事。
やっぱり話し合う事だと思う。
今はあのホテル事件だよね。
尚輝がもういいって言って話聞けてないからまず話を聞いて。
私がダメだった所をきっちりと謝りたい。
―――キーンコーン
カーンコーン―――
2限目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
明日…尚輝の17才の誕生日なのにな。
私たち何でこんなにもギクシャクしてるんだろ…。
ガラッ――
視聴覚室のドアが開いた。
嘘っ!いつも誰も来ないのに。
恐る恐る振り返ると
「あ…。」
そこにいたのは尚輝だった。