愛しすぎて。
「あ…れ来てたんだ。」
びっくりした顔で尚輝がこちらを見る。
「うん……。」
「そっか。
今メール打とうと思ってたんだけど口で言うわ。
メールくれてたのに返事送らなくてごめん。
俺爆睡しててメール読んだとき返事よりも体が先に動いてた。」
メールを無視されたわけじゃなかったんだ……。
「そうだったんだ…。昨日の今日だから怒ってて返してくれないのかと思ってた。」
「あ―正直…怒ってるには怒ってる。でもそれで返さなかったわけじゃない。
だから…嫌いになったわけじゃないから。」
尚輝の『嫌いになったわけじゃない』の言葉に、胸についてた重りが取れたような気がした。
尚輝はこんなにも正直にちゃんと話してくれたんだから
私もちゃんと向き合わなきゃ。
「あのさ…昨日の事ちゃんと話合いたい。
私の悪いとこちゃんと謝りたい。」
―――キーンコーン
カーンコーン―――
見計らったかのように最悪なタイミングでチャイムが鳴った。