愛しすぎて。
Side 尚輝
誕生日当日
寝坊しないようにかけた目覚まし時計。
余裕をもって10時に合わせたのに目が覚めたのは8時30分。
…どんだけ(笑)
楽しみで早起きとか小学校の遠足の以来だ。
携帯を見ても連絡はなし。
誕生日おめでとうメールちょっと期待したけど―――
今日一緒に過ごせる事を思うと気にならない。
ベッドから降り喉が渇いたのでリビングへ向かう。
「兄ちゃんどしたの珍しい。」
リビングでは俺の2つ下の妹、沙邪(さや)がテレビを見ながら雑誌を読んでいた。
どっちかにしろよと思いながら
「別に…。喉渇いたから目が覚めた。」
「ふぅん。あ、誕生日おめでとうっ♪」
「おぉーさんきゅ。」
お茶のペットボトルとコップを一つ手にして部屋に戻る。
妹は別に嫌いじゃないし仲が悪いわけじゃないけど…何か苦手。
あいつ、ませてるし。
でも堂々と彼氏がいるって言えるとこはすげぇって思う。
俺絶対言えねぇ。