愛しすぎて。

不安



「おぉっ。どした授業始まるぞ」



「うん…。あのね……」





直感的に嫌な予感がした。

亜由紗の話を聞いてしまったら全てが終わってしまいそうで…。




「あっごめん!俺担任に呼ばれてたんだった!!
俺行くわ。
亜由紗も教室戻れよ。」


気が付けば逃げ出していた。



「あ…うん。じゃあまた…。」





聞きたくない。
聞きたくない。




頭に浮かぶ“別れよう”の5文字。


俺何かしたか


もう…俺に飽きたのか




「やべぇ…こぇ―…。」


自分の手が微かに震えていた。


クラスが違ってよかったとこの時初めて思った。





――放課後――



何も考えたくなくて急いで部室へと向かう。


…なのに。。



「尚輝。」


部室前に姿を見せた亜由紗。



「これから部活なんだけど。急ぎの用事」



「今じゃなくていいんだけど、今日部活待っててもいい
ちょっと話したい事あって。」


ドクンと心臓から血液が噴き上がるのを感じた。



「…今日は何時に終わるかわかんないから。」






そう答えている自分がいた。





< 8 / 87 >

この作品をシェア

pagetop