Memorial School
「もう、なんなのあいつ!!お高くとまっちゃってさあ!!」



B1の試合観戦中、未だに怒りが収まらないらしいエイは座りながら地団駄を踏んでいた。


「仕方ないよ……エフは確かに優秀だし、実力もあるし……」

「それはっ……そう、だけどさ……!!」


何だかんだ言ってエイも彼女の力を認めていないわけでは無い。だけど出会い頭に身長のことを馬鹿にされたり友達を貶されたりしたらやはり頭に来るのだろう。



「てかなんでエスは怒ってないの!?エスの方が優秀なのに馬鹿にされたんだよ!?」


嗜めたつもりが、今度は怒りが私へと方向転換してしまったようだ。当の本人である私があまりにも落ち着いているから、不完全燃焼なのかもしれない。



「うーん……馬鹿にされたって思えないから、かな?ほら、エフって本当のことしか言わないし。」

「でも………」

「はいはい、この話はもうおしまい。B1の試合見よう?」

「……うん、分かった。」



折角私のために怒ってくれてるエイには悪いけど、もうこの話は続けたくなかった。


『本当のことなんかじゃない』『エスはお荷物じゃない』


そんな言葉が返ってこなかったのは、エイもまた本当のことしか言わないからだ。
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