Memorial School
1分にも満たない戦闘時間。目を閉じて開けば終わっていたそれに、観客達は拍手喝采を浴びせた。珍しい光景ではないけど、それを受ける側になった私には何か込み上げてくるものがあった。


だけどまだレベル1だ。クリアして当たり前。気は抜いちゃいけない。

両手で頬を叩いて気合いを入れ直す。



「エス、お疲れ様。」

「あ……ケイさん、お疲れ様です。」

「思ったより速かったね。その調子でノルマまで頑張ろう。」

「は、はい。頑張ります……」



後方支援科なうえに回復担当であるからか、S班の人達からは過小評価されていたのだろう。過大評価され、余計な期待を生むよりは嬉しかった。

インターバルは20分。その間に次のレベルの作戦を確認するため、私は皆が集まるところへ急いだ。


テストを受ける班の待機場所はグラウンドの一角にあるセーフティエリアだ。情報分析担当のための機械(私にはよく分からない)が準備されていて、会議をスムーズに行うことができるからだろう。試合中戦闘に参加しないユウさんもここにいる。


「次はー………」


作戦は完璧に頭に入れているため、その確認だけの単純作業。これがレベルが上がってくるとそうも行かなくなるのだが、今のところ気楽なもんだ。だからといって一番実力がない私が気を抜いたりはしないけど。
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