Memorial School
「うわあ……広いですね。前の班が使ってた会議室とは段違い。」



先程見た所よりも一回り大きな建物まで案内され、開かれたドアから一歩入れば、そこはもはや異空間だった。


広々とした部屋には、右に黒板が1つと左にホワイトボードが1つ。正面には窓とドアがあり、その奥はどうやら室内訓練場のようだ。

自分達専用の訓練場を持ってるところなんてS班以外にはないし、会議室と併設しているのも利便性の塊のようで本当に学校トップ集団、という感じだ。



「S班は色々優遇されてるからね。前はA1にいたんだっけ?じゃあその辺も自己紹介の時に話してくれる?」

「あ、はい。」

「よし、始めようか。」



ケイさんのその言葉で、皆席に着いていく。私も一番下座に座った。



「時計回りで良いよね。じゃあ…シイから。」



「はーい。私戦闘科2年のシイ!手に持った武器とかを帯電させる能力なの。だから近接担当。ランクはNo.6だよ。よろしくね!」


明快に笑う。



「戦闘指令科2年のユウ。能力は情報記憶と処理ね。直接戦闘には参加しないで、事前に敵の情報を伝えてるの。ランクは5。よろしく。」


静かに見据える。



「俺は、エム。後方支援科3年。一応……S班のリーダーもやってる。能力は瞬間移動だから、武器を渡したり移動に使ったりかな。ランクは……No.4。」


無表情で俯く。



「それで、僕はケイ。戦闘指令科の3年。半径50mくらいの俯瞰ができるから、担当は索敵だよ。ランクはNo.2。よろしくね。」


優しげに微笑む。




生徒ランクNo.2、4、5、6……やっぱりとんでもない。

生徒ランクとは、毎月第一月曜日に学科別に行われる試験で様々な観点から生徒を明確にランク付けしたもの。順位は学科別じゃないけど。


そしてこのS班に入れるのは、上位7人のみらしい。だけど、今まで7人目は取っていなかった。理由は分からない。


4人の自己紹介が終わり、私を含む皆の視線はある1点に集まった。



「アール、次お前だよ。」


黙って自己紹介を聞いていたアールさんは、ケイさんに促されその重い口を開く。




「戦闘科3年のアール。能力は自分の筋力強化で、近接担当。ランクは1。」



生徒の前に立つときと変わらない、堂々たる姿。

圧倒的な実力を持つこの学校のNo.1は、



「よろしくな、新入り。」



私と目を合わせ、口角を上げた。
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