龍神×紅蓮


そしてあたしが目を開けても、まだ颯斗は手を合わせていた。


言いたい事が、いっぱいあるんだろうな…


ふと、周りを見ると冬子さんの姿はなかった。


きっと、気を使ってくれたんだ…


だからあたしも静かに立ち上がって、さっきいたリビングに戻った。


あたしが戻ってきた事に気付くと、ニコッと笑ってくれた冬子さん。


「希さん、ありがとう。颯斗を連れて来てくれて」


ソファに腰を下ろしたあたしに、そう言って頭を下げた。


「いえ、あたしはただ颯斗が苦しんでいるのを見ていられなかっただけなので」


自分のせいで弟がってずっと苦しんでて…


見てるこっちが辛くなるから……


「良い方々と出会えたみたいで良かったわ」


「はい」


紅蓮のみんなは良い奴らだよ。


幹部だけじゃなくて、下っ端のみんなも…

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