龍神×紅蓮
あ、そういえば、あの日の後、倉庫に戻ったあたし達はいつも通りに過ごしていた。
でも颯斗が、目を瞑ったままの蓮華に
「蓮華、ありがとう」
って言っていて。
蓮華は顔色を変えずに黙っていたが、
「俺をここに連れて来てくれて」
颯斗がそう言った時だけ、フッと微笑んでいた。
っていう事があって、見てるあたしも嬉しかったんだ。
……てか、
「蓮華が学年1位!?」
思わず叫んでしまった。
そのせいで寝ていた椿を起こしてしまった。
「んぅ……」
まだ眠たそうに目を擦っている。
ごめん、椿…
「んだよ、悪いかよ」
蓮華は超不機嫌な顔であたしを見てくる。
「いや、人って見た目によらないんだなぁって」
「うるせぇ」
そう言って部屋を出て行ってしまった。